
カレンダーは習い事で埋まり、時間割は隙間なく管理される現代。
『空き時間は無駄』と考える風潮がありますが、先週ふと気づいたことがありました。
雨で教室が中止になった午後、娘が段ボール箱と紐で作った『火星基地』を見つめて。ピーナツバターで描かれた操縦桿、石ころが変身した宇宙食。その瞬間、私たち親が守るべきは「空白の時間」だと気づかされたんです。
脳が最も輝くのは『何もしてない』時
車窓を流れる雲の形に物語を見つけていたあの時間。今やスマートフォンがその隙間を埋めてしまいます。
ですが脳科学の世界ではこんなことが分かっているんです。実際、我が家でもこんなことが…。バレエ教室が休みになった日、娘が3時間も蟻の行列を観察していたことがありました。彼女が最後に語った『昆虫高速道路理論』には驚かされました。
こうした『無駄な時間』こそ、子供の思考の根っこを育む栄養素なのです。
現代のペアレンティングに必要な『ささやかな反抗』
子育て情報サイトは『すべての時間を有益に!』と叫びます。でも本当にそうでしょうか?
専門家が指摘するように、自由に遊ぶ時間が多い子供ほど問題解決能力が高いそうです。
わが家では日曜日の午後は意図的に予定を入れない『空白の時間』にしています。おもちゃもシンプルな積み木やクレヨンだけ。
そんな中で娘が段ボールと洗濯ばさみで作った『自動ドア付き宇宙ステーション』は、どんな高価な知育玩具より価値がありました。
成功って、トロフィーじゃなくて、指にこびりついたラメ糊で測れるんだよ。
そう思うようになったのです。
心が自由に遊ぶための『聖域』づくり
わが家のベランダは『創造性保護区』です。棒切れは魔法の杖に、水たまりは古代湖に変わります。
そして大切なのは、失敗を許す空間を作ること。毛布で作った要塞が崩れた時、娘が試行錯誤して作り直した第二バージョンは圧倒的に頑丈でした。
祖父母の協力も欠かせません。祖父と過ごす『雲の図鑑作り』の時間は、最高の自然科学教室になっています。
厳しい社会を生き抜く力は、ぎっしり詰まったスケジュールからではなく、ゆったりとした時間の中で育まれるもの。
あの夏の午後に蓄えられた好奇心が、将来の彼女を支える基盤になるのです。
バランスの取れた子育てのためにできること
完全な自由と完全な管理の中間点を見つけるのが親の役目です。わが家で実践している小さな習慣をいくつかご紹介しましょう。
- 夕飯の支度中は『創造タイム』と決め、工作材料を用意しておく
- 移動時間に『もしもクイズ』(例:あの雲がロボットだったら?)を投げかける
- 週に一度は『何もしない権利の日』を設ける
大事なのは『何に興味がある?』という問いかけ。
娘が段ボール宇宙船を作り始めた時、私が唯一したことはそう尋ねることだけでした。そしてその瞳の輝きが全てを物語っていたのです。
今日から少しだけ、空白の時間を作ってみませんか?
Source: Education Ministry flags learning gaps, dropouts as hurdles, Economic Times, 2025-09-14
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