「なんで？」攻撃は、最高の宝物

夕食時や公園で、子どもが『なぜ？』を連珠砲のように浴びせてくることがありますよね。その質問こそが好奇心の証拠なんです。朝起きてから夜寝るまで、彼らの目にはすべてが新しく、不思議に満ちています。ある日、子どもが「なんでママのお腹にはおへそがあるの？」って聞いてきた時、妻は一瞬戸惑った顔をして、ゆっくりと「赤ちゃんがママのお腹にいた時の、大切なつながりの跡なんだよ」って答えていました。

その時の子どもの、キラキラした瞳。そして、優しく語りかける妻の横顔。あの瞬間、僕は「ああ、この小さな疑問こそが、彼らの世界を広げる扉なんだな」と感じたんです。すぐに完璧な答えが見つからなくても、その問いかけを一緒に楽しむ姿勢が、何よりも大切なんだって。妻はいつも、子どもの質問を真剣に受け止めていました。その姿を見ていると、僕も自然と、子どもの『なぜ？』を大切にする関わり方を学びましたね。

答えよりも、一緒に「探す」喜びを

「なんで？」を聞いてくる子どもに対して、僕たちパパはつい答えを教えてしまいたくなりがちです。でも、妻はいつも少し違いました。例えば、公園でアリの行列を見て「なんでアリさんはお家に帰るの？」と聞かれた時も、すぐに答えを教えるのではなく、「どうしてだと思う？」「どこに向かっているんだろうね？」と、逆に問いかけていたんです。

すると、子どもは地面に顔を近づけて、アリの動きをじっと観察し始める。時には「お腹が空いたからかな？」「お友達に会いにいくのかな？」なんて、自分なりに想像力を膨らませていました。その姿を見ながら、「そうだよね、そういう風にも考えられるね」と優しく相槌を打つ妻。子どもの好奇心を引き出す対話術って、こういうことなんだなって、僕も隣で感心していました。答えを教えるよりも、一緒に疑問を深め、一緒に探求する。そのプロセスこそが、子どもの探求心を育むヒントになるんですよね。

「知りたい」気持ちを、遊びに変える工夫

「なんで？」の質問は、日常生活のあらゆる場面で飛び出してきます。時には、「なんでおもちゃは片付けなきゃいけないの？」なんて、ちょっと困った質問も（笑）。でも、そんな時にも、妻は子どもの疑問を育むコミュニケーションを諦めませんでした。例えば、お片付けの理由を説明するだけでなく、「じゃあ、おもちゃをどうしたら迷子にならないか、一緒に考えてみませんか？」と尋ねると、子どもは「おもちゃのお家を作ってあげよう！」「色ごとに分けてみよう！」なんて、自分からアイデアを出し始める。

そうやって、ただの「なぜ？」が、新しい遊びや工夫に繋がっていくのを見てきました。僕も、そんな妻の姿に刺激を受けて、「今日は一緒に、お空の青さの秘密を探しに行ってみようか？」と、散歩中に話しかけてみたことがあります。すると、子どもは目を輝かせて、雲の形を指差しながら「あの雲は、なんで白いのかな？」と、また新たな「なんで？」を見つけてくれるんです。

親も子も、一緒に成長する「なんで？」の時間

子どもの「なんで？」に真剣に向き合うことって、実は親である僕たち自身の世界も広げてくれるんですよね。忘れていた理科の知識を思い出したり、当たり前だと思っていたことに改めて疑問を感じたり。妻もよく「子どもに聞かれて、私も初めてちゃんと考えてみたわ」なんて、笑って話していました。

その小さな『なぜ？』が、いつか大きな発見につながる。

子どもの探求心を育むヒントは、特別なことばかりじゃない。日々の小さな「なんで？」に、耳を傾け、一緒に考え、一緒に驚くこと。その積み重ねが、子どもたちの心に「もっと知りたい」「もっと見つけたい」という、確かな種を蒔いていくんだと思います。そして、その種がいつか、彼らの人生を豊かにする大きな花を咲かせる。僕たちは、ただその成長を、隣で温かく見守っていければいい。その小さな『なぜ？』が、いつか大きな発見につながる。そう信じて、これからも一緒に見守っていきましょうね。