
夕食の支度をしながら、ふと目に留まった光景がありました。子どもが小さな手で一生懸命スプーンを持ち、ヨーグルトをすくおうとしている姿。こぼれそうになりながらも、ぎゅっと唇を結んで集中している横顔を見て、「ああ、今まさに学びの瞬間だな」と感じたんです。
隣で片付けをしていた妻が、そっと私の袖を引きましたね。「手伝おうかって言いたいのは分かるけど…もう少し見てよう」と。そう言われて改めて気づきました。私たちが思う以上に、子どもたちの「自分でやりたい!」という気持ちは強いんだな、って。
便利な世の中になればなるほど、この瞬間をどう大切にするかが問われているように思うんです。
実際、ヨーグルトをこぼしながらもじっと見つめるあの横顔。一粒ずつ、慎重に、そして悔し気に再挑戦。その瞳に宿る誇りが、胸を熱くします。大人はつい手を出してしまいがちですが、その一歩引くことで、子どもは「自分でもできる!」という自信を掴むことができるのです。この小さな戦いこそが、将来どんな困難にも立ち向かえる力を育む、とっておきの瞬間なんです。「自分で」の気持ちを守り、見守ることが、未来への第一歩。親になってよかったと心から感じた夕食の時間でした。
