タイマーよりも大切なもの:働くママが教えてくれた時間の使い方

キッチンで家族と過ごす温かい時間

ある日の夕方、キッチンで並んで夕食の支度をしていた時のことです。作業効率を考えてタイマーをセットしようとしたら、ふと妻がつぶやきました。『時計の針に追われる毎日って、なんだか息苦しくない?』その瞬間、冷蔵庫の上に置いてあったアナログ時計の針音が、急に大きく聞こえてきたのです。

3分間の心理学

あの出来事から、私はつい時間を数字で管理してしまう癖に気づきました。

妻は違います。公園で子どもが蟻の行列に夢中になっている時、『もっと観察してみようか』と腰を下ろす。夕食の支度中に窓から差す夕日を見つければ、自然と手が止まる。最初は『非効率だな』と思っていたことに、実は深い意味があったのです。

ある研究によれば、人間の集中力リズムには90分周期があるそうです。一見無駄に見える時間こそが、逆に効率を高めるのです。妻は経験で気づいていたのかもしれません。

ふと気づけば、子どもたちが自然と妻の方に話しかける回数が増えていました。

砂時計がくれたもの

家族で砂時計を楽しむ様子

先週末、妻が家のデジタル時計を全て箱にしまい、代わりに手作りの砂時計をテーブルに置きました。『今日は時間の感覚で過ごそう』との提案で、驚いたことに子どもたちもすぐにゲーム感覚で夢中に。

『お砂が全部落ちるまでに、今日の一番楽しかった話をしようか』そんな会話から始まり、普段ならタブレットを見ている時間に、家族の笑い声が増えていきました。

砂の動きを見つめながら過ごす時間は、なぜかリラックスできて。週明けの職場で新しいアイデアが浮かんだのは、偶然ではないかもしれません。

カレンダーに書けない大切なもの

保育園の連絡帳と手書きメモ

私がスケジュールアプリで家族の予定を完璧に管理した時、妻が保育園の連絡帳を見せてくれました。そこには先生の手書きのメモが。『今日、お友達に優しくおもちゃを貸してあげましたよ』

『この瞬間、カレンダーのどこに記入する?』と尋ねる妻に、私は返す言葉が見つかりませんでした。

生産性ツールで管理できるのは行動だけで、心の動きは記録できない

妻のスマホには、そんな計測できない瞬間の写真が溢れていました。

時計の針よりも心の針を

スマホの通知をオフにした家族の時間

最近、私も仕事用スマホに『タイマー禁止モード』を設定しました。夜6時から8時まで、全ての通知音を消す仕組みです。初めは不安でしたが、気づけば自然と子どもたちとの会話が増えていました。

スーパーのレジで前のお客さんと世間話をする。通勤路で見つけた野花を写真に収める。妻のそんな『非効率』な習慣が、私たち家族の日常に彩りを与えてくれている。

本当に豊かな時間とは、時計では測れない愛の形なのだと、彼女が気づかせてくれたのです。

※参照:Thedrum.com 2025年9月23日

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