
子供たちが寝静まった後、リビングの片隅に座って妻と一緒に今日の話をしながら暖かい紅茶をすするとき、ふと考えるんです。育児に疲れたその日、AIが提案してくれた離乳食レシピで子供が笑顔になった瞬間とか、妻が「寝かしつけに使えるって聞いたよ」と話していたあの夜の会話とか。便利な「道具」を通して、私たちが気づいた家族の姿をそっとお話ししましょうか。
AIが教えてくれた、わが子の音の風景

先週の朝、妻が「これを試してみたんだ」ってタブレットを見せてくれたんです。そのアプリで、子供がおもちゃのピアノの音を録音し動物の鳴き声に変えてくれるのを試してみました。
一緒に座って見ていると、子供が犬の鳴き声に変身した音を聞いて、突然、腹を抱えて笑い始めたんですね。何てことのない瞬間に、妻が「あぁ、この子はこういう音の変化に気づくんだね」とつぶやいた。
悩みも多かった離乳食期の献立をAIで管理するようになって、妻は「こんなに時間が余裕できるなんて、知らなかった」とよく言います。今では、その時間で子供と一緒に音遊びをしたり、絵本の時間を楽しむ。日常の小さな瞬間が、映画のワンシーンみたいに心に残っているんだ。
バーチャルとリアルが交わるところ

ある日曜日の朝のことです。子供が「ママ、うるさい!学校行きたくない!」と泣きそうな声で叫んでいるとき、妻が「ちょっと聞いてみてって」とスマホを差し出しました。AIが、こんな質問を提案してくれたんです。「おうちの一番好きな場所は何色かな?」って。
子供は突然、泣き止んだんです。そして「ママが作ってくれるお味噌汁の色」と、わが子の言葉が返ってきて、私は驚きながらも、ふと感じたことがありました。
その時間、寝る前に絵本を作る時、名前を入力すると子供の名前が入ったオリジナルストーリーができるサービス。でも、妻が「あのね、このサプライズのページ、最後にママとパパが登場するんだよ」って教えてあげたときの子供の目が、まるで星を触ったかのように輝いていたんです。
悩みを相談した先の、新しい風景

最近、育児の悩みをAIに相談してみたことがあります。私が「朝の準備が本当に大変で」と打ち込むと、妻も驚くような提案が返ってきたんです。朝ご飯のメニューを子供に選ばせると、思わず笑顔が深いからね。
次の日、妻が子供に「明日は何を食べたい?」と聞いていると、なんとその日は娘が「納豆巻き」と「桃の缶詰」を選んで、それなりに準備をして待っていた。
結局、桃を巻き込んだ納豆巻きは作れなかったんですけど、その日初めて、朝の机の上で、子供たちの笑い声が聞こえた。夕方、妻がふと漏らしてくれました。「最初は、AIに頼むなんてって思ったけど、こっちの気持ちを変えるきっかけになったんだね」って。
AIが教えてくれない、大切なこと
AIとの会話が増えるうちに、逆に、ひとつのことにも気づきました。育児の質問に答えてくれることは便利でも、悩み自体は、やっぱり消えません。
私たちが抱く「この子はどんな才能があるんだろう?」という疑問や、「どんな大人になっているのかな?」という不安は、AIが全部解決するものではない。
ただ、ある日、妻が「寝かしつけの時、AIが提案してくれた歌を歌って、子供が眠りにつくまでに夜空の星を数えて一緒に眠りにつきましょうね」と話してくれたんです。その時、私は、AIが提案したことではなく、私たちがその場で感じた暖かさが大切だったんだな、と感じたんです。
次に、あなたと私ができること
こんなふうに、デジタルとの付き合いを考えて、適当に工夫してみる。それは、上手に時間を節約するためだけじゃない、とも思います。
子供たちの成長を見つめる、私たちの視点を変えるきっかけにもなった。私たちの家族の忘れられない、新しい日常の記憶が、AIと共に作られたものとして、未来の私たちの心の中に残るでしょう。
そんなデジタルツールとの出会いが、家族の形を変えるのではなく、私たちの家族の温かい時間を豊かにしてくれている。そんな気づきを、皆さんと共有できたなら嬉しいです。
