台所のカウンターで、片手にはパソコン、もう片方のひじには子供の頬が寄りかかっている。そんな光景を見た瞬間に気づいたんです。妻の仕事と育児の両立って、まるでダンスのようだなって。一つの動作で、プレゼン資料と子供のリクエストを同時に返す。その瞬間、その瞬間に、彼女の愛おしさが滲み出るものを見つけました。
仕事の会議中に生まれる、子供の発見の物語
リモート会議の画面越しに、ままごとの鍋が現れる日があります。子供たちは仕事と遊びの境界線を、自然に消しちゃうんです。
『あの図、お花の形みたいね！』なんて、資料のプレゼン中に子供が『お花みたい！』と指摘してくれた。その瞬間を、彼女はどうやって流すかって？思わずつぶやくんです。『そうですね、このアイコンは、皆さんのアイデアが花開く印をイメージしました』。
その言葉を聞いたら、会議室のメンバーが思わず笑みを浮かべて。この、仕事と育児の混ざり合いこそが、私たち家族の特等席なんだと感じます。
駅のホームが、子供の科学教室に変わるまで
電車の時刻表を待つ15分の間に、子供たちの『なぜ？』がスイッチを入れます。『あの線路の石は、どうして動かないの？』。
そんな問いかけに、彼女はスマホのメモ機能を開きながら、『今日はもう少し時間があるから、駅長さんを探してみようか？』と。仕事と帰宅の道のりを、子供たちの探求心に変える魔法の時間。
その横で、私も、仕事の資料を整えながら手が自然に止まりました。仕事と育児がダンスのように交わる瞬間、それは、仕事の効率が上がるタイミングの驚くべき一致。彼女のそんな時間の使い方、盗み見たくなりますよね。
夜のソファーで、仕事ノートは子守歌に変わる
子供が眠ってから、小さなライトを点けながら、迫る締め切りに向かう彼女の背中。その背中に、いつの日からか、子供が抱きついて、寝てる。
そんな時、彼女はどうすると思います？ 資料を片手に、徐々にゆっくりと、背中で呼吸を合わせる。ノートは枕の代わりに。
そして、その仕事の準備が、いつの間にか子守りと一体化していく。そんな姿を見た時、ふと感じます。『仕事と子育ての両立』って意思じゃないんだなって。自然に私たちの暮らしに染み込むリズムのひとつなんだと。
2つの世界を、一つに抱える瞬間の温かみ
ある日曜日の朝、妻が、子供の服のボタンと、仕事のデータのスプレッドシートを同時に並べていました。『ボタンが止まった？』と聞くと、『うん、数値が揃わないんだ』と笑う。
その時、何が起こったか。子供たちが嬉しそうに、ボタンの掛け違いを教えながら、『パソコンのお仕事、お手伝いするよ！』と。
その瞬間、仕事と育児の境界線が、溶けるように。そう、いつの間にか、私たち夫婦のダンスにも、子供たちが踊りを加わってきたんですね。