
今日もまた、保育園から届いた『お迎え遅延』のメールをスマホで確認しながら、キッチンでスープの味を確かめるあなたの背中を思う。遅れてしまった謝罪を口にしようとしたとき、振り返り『大丈夫、お互い様だよ』と笑った顔を思い出して、静かにリビングのソファに座り込む。
仕事と育児の天秤を支える小さな錘

昨日の夜、会議資料を抱えながら子どもの描いた空を眺めていたとき、『あ、この子、水色と紺碧を分けて描くようになったね』とあなたが呟いた。その一言で、重い荷物を抱える私たちの手のひらが、少しだけ軽くなった気がした。
仕事のスケジュール帳にはない大事な時間を、私たちは毎日プレゼン資料の隙間に書き込む
緊急会議と発熱が重なった金曜日、あなたはスマホを片手に、体温計を握りながらタスクをこなしていた。その同じ手で、子どものおでこを拭う姿を、私は黙って見守っていた。
朝の一杯のお茶に刻む無言の契約

- 先に起きた人がお湯を沸かす
- 仕事の愚痴は1日10分間
- 『今日は大変だったね』の言葉を忘れない
こんな小さなルールが、キャリアの坂道を滑らないように支えてる。水曜日の夜、あなたがマスクを着けながら、オンライン会議の準備をしていた姿をふと見た。パソコンの光が、あなたの顔を柔らかく照らしていた。その瞬間、仕事に没頭するあなたの姿が、愛おしくなった。
仕事で評価するものと、胸で測るもの

会議の多さと子どもと話せる時間、プロジェクトの進捗と家族全員で夕飯を食べる時間。こうした対比のない価値観を、私たちは、静かに、毎日、秤にかけている。それが、この家の、もうひとつの営業ノルマなのだ。
隙間の時間に埋める愛のパッチワーク
言葉が半端にしかかわさない日でも、心は同じ毛布に包まれる
昨日の午後、残業中に電話を入れられなかった代わりに、ランドセルに忍ばせた小さなメモを思い出す。『ママは今日も君のことを考えてるよ』。仕事でプロジェクトを終わらせるよりも、メモに『考えてるよ』って書くのの方が緊張したな。
迷いの道を並行して歩くということ
明日、子どもが『ママの仕事は何?』と聞くかもしれない。そのとき、あなたはどんな答えを探るだろう? その答えを聞くことが、私にとって、あなたのキャリアの階段を一緒に、少しだけ上った気持ちになるんだ。
『この仕事、続けられるかどうか迷ってる…』先週の夕方、あなたが突然漏らした言葉。でも、それさえ、私たちは歩み合うための道標のひとつなんだよね。
