「今日は、うちの保育園の送迎、お願いしていい？」。そう言って、彼女の目が忙しなく動いている瞬間を何度も見てきた。このあいさつだけで、私たちという夫婦チームの一日が始まる。共働き育児の時間は、お互いのスケジュールをすり合わせた合間に生まれる。
「共同体から離れた駆け落ちカップル」という共働きのリアル
共働き子育ての大変さを、誰かがこう言い当てた。「周りに少しでも手伝ってくれる大人がいるなら、イージーモードなのに」「共働きって、ある意味で駆け落ちカップルみたいなものだ」。親の手助けもなく、仕事と育児の両立を続ける日々のその重さに、共感する人も多いだろう。
でも、キッチンで立ち上がる、その背中を見て思う。私たちは、決して、たった一人ではない。パートナーの、隣のその背中が、世界を支えているのだと思える。そんな時、ある。
パートナーの家事育児を「頼みたいけど、頼めない」悩みの深淵
「パートナーにお願いしても、喧嘩になるだけだから、家のことやらなきゃ」。この暗いトンネル、共働き夫婦であれば、多くの人が通る道のようだ。
しかし、彼女のその言葉を、ただ聞くだけでは、何も変わらない。一緒に、解決策を探す。たとえば、育休の時間さえ調整すれば、もしかすると、子どもの送迎と、その時間を、私たちは、少しずつくり返す。
そのうち、男性育休は共育てへの第一歩かもしれない。その小さな積み重ね。一歩一歩が、違う。可能性を探しながら。
共働きの家庭に、思いやりと共感力を育てる方法
子どもの正面の成長を願うのは、親共通の企みだ。でも、共働き家庭でこそ、子どもの共感力は、芽生えると聞く。
それは、親がいつも、真剣に、そして、お互いを支え合うから。その姿を見て、子どもは、自然に、人の心の痛みを理解できるようになる。
家庭の時間は、その中で、ある種の共感の実験場を繰り返す。
「共に育てる」という選択肢が、家族の未来を変える
「このプロジェクト、どうしても今進めたいんだけど…」「わかった、私の会議を調整するね」。お互いを思いやる小さな積み重ねが、家族の未来を作るんだよ。
その選択肢は、私たちの未来を照らし出す。私たちは、共に育てる、という選択の道を選んだ。だから、共働きという選択肢も、また、同じように重要だ。
その選択肢を、共に、そして、社会を変えていく。そのような、小さな歩みを。
共に翔ぶために、共走の一歩を踏み出す
共働きの家庭の時間は、いつも何かと競争している。その中で、隣で、共に走る人の背中に、そして、その足音を、気づかずに、頼りにしている。
焦り、ゆっくり、そして、また、急いで。その道のりを、重ねた分だけ、また、その強さが、増すのだ。そう思う。
そしていつか、ふと気づかせてくれる。その背中、その足音が、共に働く、共に育てる、という、その証しなのだと。