
昨日、子どもが言った言葉を今でも思い出します。「AIって、ママみたいにさびしい時はそばにいてくれるの?」あのつぶらな瞳を見つめながら、この時代の子育ての本質を改めて考えさせられました。私たちは毎日、こんな実験をしているのです。テクノロジーと共に成長する子どもたちと、アイデンティティを保つ親としてのあり方について。
AIができること、人間にしかできないこと

朝の忙しい時間、子どもの熱を測りながらスマホでAI育児支援アプリを起動するあなた。
時計の針は早く進んでも、待ってる間は時間がゆっくり感じるからこそ、その瞬間を大切にしよう。
でも思い出してみてください。38度の熱をはじめて測った時の手の震えを、AIは記録できても、そんな温もりは感じられない。
子どもの涙を拭く指先の力加減、そっと背中を撫でるリズム、これらは私たちが何千年もかけて磨いてきた人間の技なのです。
ロボットが掃除する時間を私たちはぎゅっと抱きしめる時間に変える。そんな選択ができることに気づいてみませんか?
AI育児ツールの賢い使い方

先日、子どもが『AIロボットさん』に話しかけているのを見て、思わず笑っちゃいました。
でも、その次の瞬間に思わず抱きしめたくなったのはなぜでしょう?それは、私たちにしかできない育て方が確かにあるから。
子どもの支離滅裂な話をただ聴くこと。破れたお絵描きを宝物のように扱うこと。
AIが育児のスケジュールを管理してくれるなら、私たちは子どもの目を見つめる時間を増やせます。
そういう時には、こんな風に考えてみませんか?「AIがスケジュールを管理すれば、心をつなぐ時間が増えます!」と。
この時間を使って、ただ子どもと向き合えることが一番の喜びなんです。
そうして残ったのは、人間の関係性を育むための時間です。
AI時代の子育てで大切なこと

子どもの向き合う姿勢をみていて、ふと気づかされることがあります。
AIロボットの話を聞く時には手をひざの上に置くのに、ママに話しかける時には自然に体が寄り添う。
スキンシップとは、体温と呼吸を合わせることでしか成り立たない芸術なのです。
どんなに優秀なロボットが子育てを支援してくれても、人間の温もりを育むことは私たちの特権です。
「AI時代でも、子育てはスキンシップが大事!」という言葉を、胸に手を当ててかみしめてみてください。
木の年輪のように深く刻まれた家族の絆のように、人間の関係には深いものが必要なのです。
私たちは、子どもの心の種を育てる土壌であり続けるために。ただ、ただ、そこにいることの尊さを。
出典: Technode(2025年9月29日)『INCLUSION 2025』
