心の筋肉を育てる:父として見つめた、子どものレジリエンスの光

夜のリビングで本を手にする父の温かな情景

冷蔵庫の音だけが聞こえる夜。子どもが寝静まった後、リビングに置いてあった本を手にしました。「レジリエンス」という言葉が表紙に躍るペンギンと一緒に描かれていて。子どものために、と手に取った本のページをめくっていたら、気づいたんです。あの時、娘が転んだ後の公園で見せた目を思い出して。この心の強さは、実は、いつも隣で見守る妻が教えてくれていたのだなと。

レジリエンスは、強さではなく、曲がる技術

「レジリエンス」という言葉を知ってから、ずっと考えていたことがあります。心の強さとは何か。

この週末、娘がリモコンで遊んでいて、偶然、大事な記録のあるテレビ番組を消してしまったんです。あの時、娘がすぐに駆け寄り、『こういう時はね、こうやって押すんだよ。また、お団子を一緒に作ろうね。』と、そっと手を握りながら教えた。

立ち直る力とは、強さというより、折れないためのしなやかさ。

そのひらがなほどの勇気を、娘は自然に届けていました。

子どもの失敗から学んだ、心の筋肉の育て方

おもちゃを壊して泣いていた娘の手を握りながら、『壊れちゃった、じゃなくて、新しい発明の始まりだよ』と、言った。

レジリエンスは、生まれながらの資質ではなく、後から鍛えることができる筋肉。日々の小さな場面で、子どもが、『言い訳』ではなく、『どうすればいいか?』を考える癖を育てる。

その練習の場が、毎日のお弁当作り、片付けの失敗、そしてベランダの花壇の水やり忘れまでも、成長の場になっている。そんな気づきを、一緒に、育ててきたのです。

逆境に立ち直るための、3つの夕食のルール

1. 今日の失敗は、笑い話に変える。2. 自分ができなかったことを、3つ褒め合う。3. わからないことは、明日に持ち越してもいい。

夕食のテーブルで、決まりを作った。この習慣は、子どものためだけではなく、実は自分自身の「心の回復力」を育てる知恵でした。

その晩、妻が、仕事で大きな失敗をした話をした時、子どもたちは『お父さん、お母さんがパンを作ったら生まれて初めて、黒いパンができた!』と笑い出した。

偶然、その報告が、相手の重みを抱え込む気持ちを、軽くしてくれる、そんな力の支え方。

揺れながら、一緒に、立ち上がるということ

先週の大雨の日、学校の帰り道で、傘の骨が壊れてしまった娘。妻が迎えに行き、濡れた体を、家で、大きなタオルで包みながら、『あの傘は、本当に頑張ってくれたね。』と言った。

その言葉は、子どもの折れない心を育てるだけでなく、私の心にも、ずっと、浸透していた。

レジリエンスとは、困難を乗り越える力ではなく、揺れながら、また立ち上がるプロセス。そのことを、妻の日常の断片で、見せていた。そんな、親としての気づきの日々を書き記す。

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