
一緒に夕飯の片付けをしながら、ふと妻がこぼした言葉を覚えていますか?「このAI教材、本当に子供のためになってるのかな…」
洗い物の手を止めて、そっと頷いたあの夜。
テレビの特番や広告とは少し違う、私たち家族の等身大のAI育児日記をお届けします。
「進みすぎてついていけない」その不安、分かります

子供がタブレットでAI学習を始めた最初の一週間。妻が夜中に寝静まったリビングで、教材の説明文を読みふけっているのを見かけました。「一人ひとりの理解度に合わせた指導って、どう設定すれば…」画面の光に照らされた横顔に、胸が締めつけられました。
最新技術についていけるか不安…その気持ち、私たち夫婦も何度も味わいました。
けれどある日気づいたんです。隣の公園で砂遊びを覚えるように、AIだってゆっくり慣れていけばいいんだと。設定を完璧にしようとする前に、まずは子供と一緒に「これ面白いね」と楽しむ時間こそが大事なのかもしれません。
AIが教えてくれた、子供の『知りたい』の育て方

面白いものですよ。AI教材が提案する『次の問題』に、子供がのめり込む瞬間があります。まるで昆虫図鑑を初めて開いた時の、あのキラキラした目の輝き。
「パパ、なんでこうなるの?」と尋ねてくるその声が、実は一番の先生なんだと気づかされました。
学習意欲を引き出すのに、完璧なカリキュラムより大切なもの。それは予想外の質問に一緒に調べてくれる大人の存在かもしれない。
AIが答えを教える役なら、私たちはその興味の種を育てる役。そんな分業が、案外しっくりくることもあるんです。
悩みが消えない夜に、パパができる小さなこと

先月のことです。妻が『思っていたより難しい…』と教材の進捗画面を眺めているのを見かけました。その時取った行動は…なんとAIの電源を切りました。
代わりに家族で夜空を見上げながら、「あの星の名前、AIに聞く?それとも図鑑で調べる?」と子供に投げかけてみたんです。
技術についていけない不安は、時には最新機器から離れる勇気で和らぎます。パパである私たちの役割って、きっとAIにはできない 『人間らしい判断』をさりげなく示すこと。
子供が『質問の仕方すら分からない』と壁にぶつかった時こそ、隣に座って 「最初の一歩」を共に踏み出す。そんなシンプルな関わりが、意外な突破口になるものです。
テクノロジーと子育ての間で、見つけた小さな幸せ

昨夜、面白い光景を目にしました。AIが算数の問題を出している横で、妻が手作りの紙芝居を広げているんです。「機械とママ、どっちが分かりやすい?」と子供に聞くと、『ママの声で聞く方が楽しい!』という答えが。
その瞬間、妻の顔にふっと安心の表情が浮かびました。AI育児に悩む全ての方に伝えたいこと。デジタルとアナログのいいとこ取りは、思っていたより簡単なのかもしれません。
テクノロジーはあくまで『道具』。その教材を使って子供とどう向き合うか…それこそが私たち親に与えられた、かけがえのない役目なんですね。
