あの夕方、私はパソコンを閉じて深いため息をついた。一日中資料作りに追われ、夕飯の支度中も背中に子どもの”なんで空は青いの？“攻撃がくっついていました。
でもある時、子どもが”お父さん、一緒に考えてみない？“と言って、疲れが消えたように笑った。
子どもの「なんで？」はテストじゃない。心のドアがそっと開く合図なんだって。
疲れてても逃げない─ なぜなぜ攻撃は『育てる機会』
仕事が忙しくて子どもを見られないと悩む夜、私もつい「後で」と言ってしまうんです。でも私は違った。昨日は子どもの「なんでリンゴは赤いの？」に、資料の途中でも膝をついて”パパもわからないんだけど、一緒に絵本で調べよう？“って言ったんだ。数字の世界で働き詰めなのに、子どもの世界に飛び込む勇気がある。
共働きだと「時間がない」で片付けてしまいそう。でもこの”「わからない」“って一言が、子どもの知的好奇心を育てるスタートライン。テレビをつけっぱなしの夕飯じゃ、子どものつぶやきは流れていきます。けれど私は調理台で包丁を止めて「そうかぁ！じゃあ、リンゴの気持ちを聞いたことある？」って言ったんだ。
「あなたもきっと、あの“ドキン”とする一瞬を知っています？」仕事が終わらない焦りと、子どもの目を合わせる数秒の狭間で。その瞬間こそが、子どもの世界を広げる魔法の時間なんです。
答えを『誘導』しない魔法の3ステップ
以前、私も子どもの宿題で「こうじゃない？」と答えを教えてしまって。私がそっと止めてくれたんです。「「どう思う？」が子どもの翼になるんだよ」って。確かに共働きで余裕がなくなると、思考停止させたくなりますよね。でもこの簡単な一言がどうやって変わるか、実感しました。
まず第一に、”わからない“を恥じない。私がよくやるのは”パパ、これホントにわからない！“と大袈裟に言うこと。子どもは得意げに「じゃあ、僕が調べる！」と本棚へ走っていきます。時間がない日は、寝る前の5分で「明日、一緒にね」の約束。家事分担で疲れてても、子どもの質問を“負債”にしない知恵。
第二に、子どもの想像を“膨らませる”。「リンゴが赤いのは、恥ずかしいから？」なんて。知的好奇心を育てるコツは、事実より“想像力の種”を育てること。第三に、答えが見つからない時こそ「すごいね！この質問、パパもびっくりした」と肯定する。忙しい日常でつい流しかねない子どもの閃きを、私はまるで宝石のように拾い上げるんです。
共働きあるある─ 時間がない日もできる『つながりのつぼみ』
仕事で疲れて家事が手につかない夜、我が家も冷凍ごはんが増えます。でも私はご飯をよそいながら「今日の質問、1つだけ」って約束を。子どもの「なんでウンコは臭い？」に真剣に答えるんです。聞けば聞くほど、子どもの頭の中は星くずみたいにキラキラするって。
共働き家庭の強みって、時間の制約があるからこそ、一瞬一瞬が輝くこと。私が教えてくれたのは、洗濯物をたたみながら「このタオル、なんで四角いんだろう？」って会話する術。忙しいってイライラの理由じゃなく、“今日は何を探そう？”のスイッチになるんです。
たったそれだけでいい。子どもはご飯を口に入れながら必死に考えます。その一瞬、私の目は疲れを吹き飛ばすように輝いて…。そう、子どもが「考えている瞬間」は、すべての疲労を癒してくれるんです。
答えなんてなくてもいい─ あなたが育んでいるもの
あなたのやさしさは、見えないところでちゃんと実を結んでいます。疲れた顔していても、子どもの「なんで？」に向き合うあなた。それこそが、子どもが一生持ち歩く“心のコート”なんです。もう大丈夫、あなたはほんの少しの時間で、子どもの未来を照らしているんです。