
さて、雨上がりの午後にありがちな光景です。小学生になった娘がランドセルを玄関に放り投げ、「パパ、シャボン玉作ろうよ!」と駆け寄ってくる。その手には学校で作ったという色とりどりのストローが握られていました。
ちょうど冷蔵庫にあった洗剤の残りで即席のシャボン玉液を作っていると、ニュース番組から「H-1Bビザ申請料 大幅値上げ」という言葉が。この子が大人になる頃、世界ってどんな風になってるんだろうね。シャボン玉がふわりと空中で弾ける瞬間、親として考えてしまう本質的な問いが浮かびました。
「正解の地図」なんて最初から存在しなかった?
米国でビザ申請費用が跳ね上がった今、留学生たちはまるで真夏の登山道で水筒をなくしたハイカーのように途方に暮れているようです。STEM(科学技術分野)に殺到し、文系学部から人が消える——数字の上では理解できるこの現象の裏側で、ふと気付かされることがあります。
私たち親世代が信じてきた『成功の方程式』が、子どもたちの世代では通用しなくなるかもしれないという事実。
例えば、お気に入りの公園にある枯れ木。3年前まで娘が『恐竜の角』だと言って眺めていたあの枝が、いまは宇宙船の操縦桿に早変わりしています。子どもの想像力ほど柔軟なものはありませんが、実は社会そのものが予測不可能な方向へと転換しているのでは?
専門家によると、10年後には今の仕事の65%がなくなるとも言われているんだって。
砂場外交官が握る『未来のパスポート』とは?
ひまわりの種を植える時に教えたあの言葉を覚えていますか?『根を深く張るのが先よ』と。STEM教育の重要性が叫ばれる今こそ、逆説的ですが最も基礎的な力——人間力こそが国際通用貨になる時代が来る気がしてなりません。
近所の砂場で観察した光景がヒントになります。異年齢の子どもたちが自然と役割分担し始める様子は、まさに多国籍チームの縮図。言葉が完璧でなくても、ブロックの組み方で意思疎通し、順番を決める時のじゃんけんが国境を越えた共通言語になる。
こうした『非認知能力』こそが、ビザのハードルがどれだけ高くなろうとも輝きを失わない『無形の資格』なのです。
世界が壊れても壊れないレシピがある?
台所での失敗談が最高の教材になることをご存知ですか?先日、娘とクッキーを作っていた時のこと。計量カップを間違えて塩が砂糖の3倍入ってしまい、大笑いしながら『海の味クッキー』と命名しました。
この『失敗を宝物に変える力』こそ、AI時代を生き抜く最強のスキルだと確信しています。
ビザ取得が困難になればなるほど、現地で即戦力として必要とされる人材の条件が厳しくなるのは当然。しかし、砂時計が詰まった時、ストローで吹いて直そうとするような、Google検索では出てこない発想力こそが、新しい時代の『技術移民ポイント』になるのかもしれないね。
明日のシャボン玉に乗せて考える未来
夕暮れ時、またあの公園のベンチに座っています。娘が新しく作った巨大シャボン玉が風に乗って飛んでいくのを見ながら、あるシンプルな真実に気づきました。世界のルールがどう変わろうと、人間の根源的な欲求——『より良い場所を求め続けるエネルギー』だけは不変だということ。
移民政策が厳しくなれば、逆説的に人々は新しい移動手段を編み出します。ビザ取得が困難になれば、リモートワーク技術がさらに進歩するかもしれません。
一番大事なのは、変化そのものじゃなくて、その変化を『チャンスに変える思考回路』を、子どもたちに思いっきり伝えてあげることなんだ!
Source: Upskilling cos tailor courses as H-1B fee hike upends plans, Economic Times, 2025-09-23