
冷蔵庫に残る半分の野菜。いつも補充されている洗面所のトイレットペーパー。朝、勝手に直るリュックの壊れたファスナー。これらはすべて「ある魔法の瞬間」によって生まれるもの。その魔法の正体を今、一緒に話してみませんか。
「名もなき家事」のリスト

気づいたら目の前の小さなタスク。それは、家族の誰かが、自然に消し去るようにして処理している。
ふと時計を確認すると、ある日私が書き出したものがあります。『歯ブラシの交換のタイミングを覚える』『子どもの習い事のスケジュール調整』『冷蔵庫の奥で賞味期限切れになりそうな食材の管理』…
書き出すと20個以上。妻が黙ってやっていることに気づくたび、心に重りがのしかかっていました。『これ、全部任せてた?』と自問すると、胸が痛みます。
なぜ、共有されなかった?
「たったの30秒」で済むこと。それが「見えない家事」の怖いところ。
でもその積み重ねが、家族の誰かの心に重りがのしかかっていました。
ある日、妻が夕食中に「ご飯の支度、永遠に終わらない気がする」と呟いた。そのとき、私は気づかなくて。彼女は「名もなき家事」のリストを、毎日何度も更新していることに。
転機は、病気から

風邪で寝込んだ妻が、私のスマホに「リスト」を残していた。その詳細は、私が知る由もなかった小さなタスクの数々。
例えば『冷蔵庫の牛乳の残量をチェック。半分以下になったら買い物メモに追加』『次回の予防接種の日程を保育園に確認』。
普段「見える家事」しか分担していなかった私が、この時、初めて気づかされました。『見えない家事のリスト』は思っていた以上に、誰かの負担になっていたことに。
「見える家事」と「見えない家事」
洗濯物を畳むのは、目に見える家事。しかし、『ガスや水道料金の支払い確認』、『子どもの靴のサイズのチェック』、『防災グッズの定期確認』。
これらはすべて「見えない家事」。家族の誰かが、自然に担うように。
その気づかぬ「見えない家事」のリストを見つけ、共有した後の変化。家族のメンバーが『今日は3つのタスクを終わらせたよ!』と自ら報告する習慣が。小さな積み重ねが、家族の絆に。
「当事者」意識の大切さ

今では、ホワイトボードに「家族のタスクリスト」を共有。家族全員が透明で、公平な気持ちで。
例えば『子どもが学校に提出するプリントの管理』。これも、今では、私が担当する。
すると、『そういったことの管理が、こんなにも大変だったのか』と。妻が「見えない家事」を抱え込んでいた理由のひとつ。
それは、『誰かができること、なら任せられない』という思い込みがあったのかもしれません。
「ちょっと、相談してみよう」の気持ち
休日、家族で一緒に「名もなき家事」のリストと言い換え。『この家事は、本当に私だけの?』と問い合って。
その結果、家族みんなが無理せずに続けられる方法を。
今、妻が「『見える化』の効果は、想像以上だった」と話してくれます。その小さな変化を認めて。
それが、家族の絆を深める一歩。子育ての臨機応変の枠組みを広げるためにも。家族で、一緒に見える化を始めてみませんか?
