今夜も子どもたちが寝静まったあと、君が淹れてくれたコーヒーの湯気がゆらゆら揺れている。洗濯物の山を前に「明日の服どうしよう」と笑い合ったばかりの時間。今朝の駅まで走ったとき、君が踏ん張る姿が妙に愛おしかった。共働きの日々って、疲れきっていると思いきや、こんな小さな瞬間に宝石が転がっているんだよね。
平日の朝8時、わが家は戦場でもあり遊園地でもある
あの忙しい朝の風景、覚えてる？私がパンにバターを塗る横で君がリュックを直し、子どもたちが体操着を探す声が飛び交う。
10分遅刻しそうな時間に「ママのリップ忘れないで！」ってあの子が叫んだ日、君が仕事用バッグにオムツを忍ばせているのを見て、私はふと笑えたんだ。
仕事と育児の境界線なんてどこにもなくて、今日も私たちはスーツにヨダレの痕を背負って走るんだなって。
保育園の門が教えてくれた『十分』の形
懇談会で最後のママになってしまった日、君は悔しそうに爪を噛んでいたね。でも担任の先生が言っていた言葉を覚えてる？
『お子さんは、お母さんが来るのをずっと楽しみに待っているんです』。
私たちが与えるのは時間の長さじゃなくて、密度なんだ。
18時46分の駆け込みお迎えの際に、あの子が私の膝に飛び込む衝撃こそが、私たち家族の『十分』なんだと気づいた。
残業と発熱のはざまで育まれるチームワーク
あの金曜日の夜を覚えている？私がクライアントから電話を受けているまさにその時、君から『上の子熱』の連絡が届いた。
タクシーで飛び帰る道中、頭の中はプレゼン資料と解熱剤がぐるぐる回っていた。でも家に着いたら、君が氷枕を首に巻きながら資料の最終チェックを手伝ってくれた。
あの夜、私たちはまるで二人三脚のランナーのようにチームとして機能していたよね。
冷蔵庫のドアに貼られる色とりどりの報告書
ご飯の支度をしながら読むあのメモ帳、あれが私たちの家族会議議事録だね。『今日パパが幼稚園で跳び箱を飛んだ！』というカラフルな報告の横に、『来週水曜会議延期希望』と書かれた付箋が並ぶ。
この混沌こそが私たちの勲章だ。連絡帳に書かれた先生の一言から、1日の出来事を想像し合うことが、今や私たちにとって最高のデートなんだ。
明日もまた走るだろう、君とともに
ふとカレンダーを見れば、来月は運動会と出張が重なっている。でもね、大丈夫だと最近思うんだ。
だってこの2年間で学んだのは、完璧なバランスより、崩れても笑い合える強さの方が大切だってこと。君が洗い物をしながら鼻歌を歌う声、それだけで私は明日も走れる気がする。
私たちの毎日は写真に収まらない小さな奇跡の連続だ。今日も一日、よく頑張ったね。おやすみ。